NFCカードを利用して名刺を作ってみたが人類には早かったみたいだった
NFCとは、Near field communication(近距離無線通信)と言われる技術なのです。Suica等交通系ICカードに使用されているだけでなく、クレジットカード、最近でマイナンバーカードのような身近に技術となっております。NFCを搭載したスマホで決済やペアリングによるデータ通信機能、本人認証など、今度も注目されていくことと思われます。
簡単という方は簡単にNFC機能を使いこなしているのですが、うまくいかないとお悩みの方も多くいらっしゃるので、万人がNFC機能を使いこなすことはまだ難しいように感じています。
先日イベントにNFC名刺を持参してみました。そこで①NFC名刺つくりかた、②NFC名刺を15人に読ませた結果 についてシェアさせてください。
※名刺情報は個人情報を多々含むためスクリーンショットはありません。
1.NFC名刺のつくりかた
1-1.用意するもの:NFCカード・ステッカー/Canva等デザインソフト
1-2.CanvaでWeb名刺をデザインする。最初はWebサイト利用していたのですが、その後レイアウトと載せたい情報を吟味してSNSのInstagramリール動画の画面に変更しました。また、ステッカー用のデザイン(名刺サイズ)を似たテイストになるように作成しました。
1-3.電話番号にtel: メールアドレスにmailto:のリンクをつけてワンクリックで電話・メールができるように設定しました。
1-4.Googleスライドのサイズをはがきにして作成したステッカー用のデザインを2枚貼り付けるとちょうどぴったり収まりました。印刷します。
1-5.NFC Toolsをダウンロードします。
1-6.「書く」タブの「レコードを追加」にCanvaで作成したWebページのアドレスを入力し、NFCカードをタッチしてURLを読み込ませます。
1-7.NFCカードをスマホに近づけるだけで、名刺ページにアクセスすることができました。また、電話をする、メールを送るがワンタップでできることを確認できました。
2.NFC名刺を15人に読ませた結果
イベントに参加した15人にNFC名刺を読んでもらいました。15人の内訳は20代が1名、30代が1名、40代が1名、50代が6名、60代が3名、70代が3名でした。
全員が全員スマホを使うことに慣れていたわけでなかったため、NFCという比較的新しい技術の問題を感じました。
まず、15名のうち2名は、NFCカードをまったく読むことができませんでした。「マイナンバーカード」のサジェストに「読めない」というのが出てくることから、機種や機種固有のセキュリティ設定などで読めないということは往々にあるということがわかりました。
15名のうち3名は、NFCカードを読むときに手助けが必要でした。NFCカードを読む際にある程度光量が必要なので、光量調整したり、位置を調整したりというところでつまずいた人がいました。
無事に読み取れた3名から「どう使ったら良いかわからない」という感想をもらいました。「ワンタップで電話がかけられます」というメリットにも「そのためにこのカードを持ち歩かなければならないのですか?」という話になってしまうので、名刺ページをブラウザのブックマークに入れる、とか、Lineで他の人に転送するという動作を教えるということを併せて教えなければ使用できないと感じました。
これらの反応からNFC名刺を使いこなせるのはごくごく一部という結論に至りました。念の為にQRコードを記載しておくというのは読めなかった人の割合を考えると必須でしょう。
Lit.Linkやre:shineがかざすだけの名刺(物理)を販売していますが、飛びつくのはアーリーアダプターのみになるのではないでしょうか。ビジネスとして使えるレベルになるまでにはまだまだかかるだろうと思います。
また、わざわざWebページを作成しなくても、名刺管理アプリでは自動で電話番号を読み取ってワンタップで電話することも可能です。
今後、NFCカードを多くの人が読むことが可能という社会になったとしても、NFC名刺はクリエイターやインフルエンサーの中のおもちゃにしかならないのでは?と思います。むしろ、名刺でなく、リーフレットのような使われ方をしていくのではないでしょうか?
3.NFC名刺を創るために参考にしたサイト
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